<はじめに> 速聴®は、なぜ「頭の回転を速くさせる」のか
国際学会で、速聴Rにより前頭葉が活性化することが発表された
ハンガリーの首都ブタペストで二〇〇四年六月一三日から一七日まで国際学会「The 10th Annual Meeting of the Organization of Human Brain Mapping」が開催された。人間の脳の形態、機能局在の研究を対象とした最大の学会で、毎年一回開催され、世界中の大学や研究機関から数千人の研究者が出席している。

この権威ある国際学会で、「速聴」によって前頭葉が活性化されることが発表されたのだ。
これは当社、久保田競氏(京都大学名誉教授)、東北大学(川島隆太教授)、日本大学(泰羅雅登教授)の共同で行われた研究によるものである。ここで簡単に研究の内容を紹介しておこう。

「速聴」の未経験の被験者二五名(男性二〇名、女性五名、平均年齢二〇・一歳)に対して、正文と誤文を交えた文理解課題を一倍、一・五倍、二倍、二・五倍の速さで聴かせ、正文と誤文を判断するために課題を聴き取ろうと集中している状態で、脳の働きがどの程度活性化されるかを、fMRI(磁気共鳴映像診断装置)を用いて測定する。
その結果、被験者の脳内の言語領域が、通常の速度の音声を聴いているときに比べ、「速聴」時は、より活性化しているという結論に達したのである。

この測定をもとに今回の国際学会で発表され、「聴く速度との相関が見られたという点で興味深い結果である」「聴くスピードが速くなることにより、どのような処理、または負荷が高まるのかが具体的で面白いのではないか」など、意見が相次いだ。
確かに世界的に見ても、「聴くスピード」にかかわる脳の機能領域についての報告はない。高い注目を浴びることになるのも、もっともだといえるだろう。今後のさらなる研究も期待できる。